2013年10月10日木曜日

部門 / オモテとウラ

「設計製図の試験」では、設計条件で下表の室はすべて設計するとして要求室の表が提示されるのですが、表のヘッダーをタテ読みしてみると・・
H24 地域図書館

H23 介護老人保険施設

H22 小都市に建つ美術館

H21 貸事務所ビル

H20 ビジネスクラブとフィットネスクラブからなる複合施設(H18、H15、H13)

H19 子育て支援施設のあるコミュニティセンター(H17、H16、H14)
当たり前の話ですが、見直しで
「設計課題(設計対象の建築物)」に関し、異なる機能を複合させた建築物を出題する従来の方式を改め、比較的シンプルな用途の建築物(主たる機能の部門と これに関連する部門からなる建築物)とするなど、ゾーニングや部門間の動線に関する設計条件を簡素化した出題とする。
ということになり、H20までの複合施設の所要室の表であれば、図書館部門、高齢者施設部門、美術館部門、貸事務所部門とされていたであろうカテゴライズが、機能別のグループを部門として分類した表になっています。
設計条件(課題文)も、
H20までは、◯◯部門、△△部門及び□□部門(の異なる機能)を適切にゾーニングした計画とするとともに、各部門の動線に配慮した計画とする。
から、
H21:ナシ
H22:公開部門と非公開部門とを適切にゾーニングし、来館者動線、職員動線及び搬入経路が交叉しないような計画とする。
H23:施設利用者部門と管理部門とを適切にゾーニングし、明快な動線計画とするとともに、避難等に配慮する。
H24:図書館部門、集会部門及び共用・管理部門を適切にゾーニングし、明快な動線計画とするとともに、避難等に配慮する。
とビミョーに変えられています。
複合施設やコミュニティセンターの異なる機能であれば、「適切にゾーニングした計画」というのは所要室の表の部門でククルのが出題元の要求する設計条件だと思いますが、
(当然、部門内でのグルーピングもあります)
見直されて、
「設計課題(設計対象の建築物)」に関し、異なる機能を複合させた建築物を出題する従来の方式を改め、比較的シンプルな用途の建築物(主たる機能の部門とこれに関連する部門からなる建築物)とするなど、ゾーニングや部門間の動線に関する設計条件を簡素化した出題とする。
となってからは、「適切にゾーニング」というのは、H20までの課題でいう部門内のグルーピングということになるのだと思います。
そもそも建物として、貸事務所、美術館、老健、図書館という部門で最初からククられています。
要求室の表を訳すと(←どこかで聞いた風…^^;)おそらくこんな感じ。
H22 小都市に建つ美術館
公開部門と非公開部門とに再構成
ビミョーなボランティア室(ワークショップの講師が使用)は標準解答例を見ると、どちらでもよいとなっています。
H22_標準解答例①
H22_標準解答例②
H23 介護老人保険施設
施設利用者部門と管理部門とに再構成
ククルといっても、使い勝手を考えればサービスステーションは島状に施設利用者部門の中央にないといろいろ支障がありそう。
H23_基準階標準解答例①
H23_基準階標準解答例②
また、ボランティア部門は介護する側(管理部門)が使用するのだろうし、
洗濯室は介護される側(施設利用者部門)の家族が使用するのだと思うので、そのようにククられています。
H23_標準解答例① 
H23_標準解答例②
H24 地域図書館

オモテとウラとに再構成
図書館部門、集会部門及び共用・管理部門を適切にゾーニングというのは、
表に分類されている部門でククル(≒図書館部門、集会部門及び共用・管理部門をゾーニング)だけではなく、
オモテとウラをゾーニング(グルーピング)すること(≒適切にゾーニング)も求められているのではと思います。
重層的なククリのイメージ
(地階指定がされていないとしても)閉架書庫は管理廊下(コア)からの動線になるのがフツー。
また、共用・管理部門とされている作業室も図書館部門のウラにあたるものなので、閉架書庫とのグルーピングをしたいところ。
H24_標準解答例①_1F
H24_標準解答例②_2F
表のうえで集会部門となっている小ホール控室は、ウラとして管理部門とのククリも考えたいところ。
H24_標準解答例①_2F
H24_標準解答例②_1F

ゾーニングと動線は、課題文(設計条件)を丁寧に読み取って留意して計画したいところだと思います。

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