2014年11月7日金曜日

厨房動線

今回の課題でも、「設計製図の試験」で頻出の飲食施設が要求されていました。
レストラン(店舗・料飲部門)
・屋内で50人程度が利用できるようにする。
・屋外テラスと一体的に利用できるようにする。
・テーブル、椅子等を設ける。
・厨房を設ける。
・眺望に配慮する。
留意事項は、お約束の
・・部門を適切にゾーニングし、明快な動線計画とするとともに、避難等に配慮する。
です。
ほぼ日、オットマチガエマシタ、毎年のように繰り返し出題されているのですが、
H25:食堂(共用・管理部門)・・・大学のセミナーハウスなのである意味ウチワのスタッフです。
H24:カフェ(共用・管理部門)・・業務内容が不明ですが、メニューが珈琲オンリーということも無くはない。
H23:食堂・・・介護老人保健施設、自分達用の施設になります。
H22:レストラン(共用部門)・・不特定多数を対象の営業なので、業態としては今回の要求に一番近そう。コレを見てみます。

特記事項
レストラン(共用部門)
・30人程度が利用できるようにする。
・外部からも直接アプローチできるようにする。
・厨房を設ける。
・テーブル、いす等を設ける。
留意事項は、
公開部門と非公開部門とを適切にゾーニングし、来館者動線、職員動線及び搬入経路が交差しないような計画とする。
でした。
標準解答例は、
となっていて、厨房と管理動線をつなぐ計画にはなっていません。
この年の要求室の部門構成は、
となっていて、レストラン(厨房)は共用部門です。
(過去問では飲食施設は「共用・管理部門」での出題が多いです)
今回は、
で、レストランは「店舗・料飲部門」。適切なゾーニングのためのククリに必要なのは、厨房を管理部門でククルことではなく、地域特産品売場とのククリなんだと思います。

「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」として、厨房への食材の搬入やゴミの搬出等の使い勝手もあると思いますが、
くらいが配慮できていればいい感じ。
H22の留意事項は設計課題の美術館のことだとは思いますが、ムリクリ適合させるとしても、厨房からサービス用駐車場への動線のために管理ゾーンにククル必要はなさそうです。厨房に直接外部への出入口を設けてしまい、敷地内、建物の外部で来客者のアプローチとサービス用駐車場から厨房への搬入動線やゴミ出しの動線が交差することとかは問題とされなさそうですし、従業員が利用者の使用する便所を利用することとかも許容範囲、合格水準と認めてもらえていそう、フツーに見かける光景です。
今回も、レストランを1階に計画した場合、厨房を管理ゾーンにククらないで直接外部への出入口を設けてしまい、外部で利用者が渓流等へ行き来する動線と交差したとしてもオッケイ、レストランを2階に計画した場合も、厨房と管理階段とがウラ動線でつなげられていなくても外部階段等で処理してしまえば問題ないと思います。

管理ゾーンにククってあるほうがいいとは思いますが、そのためにプランニングに制約が出て、眺望への配慮が十分でなくなったり、自然採光や自然通風を積極的に取り入れられなくなってしまうと「設計製図の試験」的には優先するものが違うような気がします。

2 件のコメント:

  1. ウラ指導のペンギンです.satoさん,毎回,分かりやすく,ためになる記事をありがとうございます.一度,メールを頂けないでしょうか.
    yesubu@yahoo.co.jp
    折角の有用なコンテンツですので,書籍化を含めて,相談させて頂ければと思います.今月末に私の第二子が誕生予定なので,出産騒動が落ち着いた年明けくらいにお会いできないでしょうか?

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    1. ペンギンさん、お世話になります。

      ブログ記事の元ネタは、本試験問題とJAEICの標準解答例なので
      公開は個人ブログくらいまででないと著作権上問題があるように思います。
      後ほどメールします。

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